声優 松崎亜希子のかんづめ
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常葉さんのこと。
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で、そんなあたしの常葉さん。

最初に台本をいただいてから、多分ギリギリまで掴めないだろうなぁ
困ったなぁ

て思っていた。


着物の所作はもちろん、今まで煙草吸ったことなくて、尚且つキセルなんて尚更で。
何よりあたし「女っぽい」「色っぽい」役、苦手なんですよ。
なんて言ってられなくて。

都合のいいところも
ダメなところも
悲しいところも

全部全部お客様に嫌われても表現しなくちゃだめだと思っていた。

きんととにおいての常葉の役割
いづみ亭においての常葉の役割

なんだろう。てずっと考えていて。

常葉は、仁さんといたらきっと毎日が素敵に楽しいと思って、夢をみて見受けされたら、そこには新しい金魚鉢が待っていて、でもそこでは吉原でいたときのように女としては求められなくて、というか、「常葉」として求められていなくて、仁さんには本宅があって正妻さんもいて、吉原であったときのような華やかな自分の価値とかもう実はなくて、自分の存在意義が保てなくて保てないから保つために頑張っていたらどんどん「女なんだか店番なんだかよく分からない生き物」になってしまって。

もう身動きが出来なくなっていたのです。
最後、いづみ亭に続々ととう子や日下、柴田という外の人間が押し寄せてきて、常葉は不安や不穏と一緒に屋敷に同化して、段々あのいづみ亭そのものになっていくイメージだったのです。
あたし的に。

いづみ亭を守ることでしか自分を成立できなくて、誰かに求められたならきっと上手くいくんじゃないかと思っていたけれど、やっぱり「常葉だけ」「常葉しか」いらない人なんていなくて。

だから、2ヶ月以上、ずっと、あたしは失恋しているみたいな息苦しい寂しい気持ちを感じていました。


でも炎の中で寂しい満足感もあって、毎回炎に包まれると何故だかホッとしていたのです。


なんだかね。
15:49 - comments(0)
それから失うもの。
きんにょ.jpg
で動き出したきんととですが、なにせサンモールだし、最多人数13人だし、だし。

あたしね、なんか最初からこの公演、なんでだか「失う覚悟を持ってしてでも成さなくてはいけない公演」だと思っていたのですよ。
もちろん何にも失いたくないから、全力で闘うと決めてもいたのです。
でも、それくらい覚悟しないと届かないと思っていたの。

実際、あたしはなんども挫けそうになったし、自分の力が足らない事に疲れてしまって、涙も枯れた。

けど、そんな時にいつも助けてくれたのは周りのみんなで、荷物を渡せと、手を差し伸べてくれた。だけど、人に何かを渡すことがあたしは本当に下手くそで、それすらも満足にできなくなって、やっぱり途方にくれて。
でも、それでもみんな諦めずに一緒にいてくれて、前を向いて戦ってくれた。

本当に、根気強く支えてくれた。
だから息を吸うのが辛いくらい心がやられても、あたしは前を向いていられたんだと思う。


こんなに続けてきたのにいつもいつも改めて気付かされる、周りのみんなの愛。
今回は特に、絶対役者もスタッフも全員キツかったはずなのに、本当に最後までみんな自分の力の限り戦ってくれて。

クロジは2人だけどもう2人だけではなかった。

だから、初日始まってから花園神社の神さまとサンモールの神さまに
最後までみんなで闘えるように守って下さい。
と。
ずっと毎日お願いしていました。

そしたら。
千秋楽の舞台までは大丈夫だったのに、カーテンコールの役者紹介で急に急速にあたしは声を失い、ほとんど声が出なくなってしまって。
さっきまであんなに大きな声だって悲鳴だって出していたのに。
舞台が終わったら突如。

守ってくれていたのだな、何かが。


で、あたしはそれからしばらく声をなくしている間に沢山沢山「きんとと」のことを考えていたのです。
01:36 - comments(2)
はじまりはいつも。
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そうこのひと。
みさとさん。

この小さい人が
「ねぇ、あきちゃん。あきちゃんだったら今どんな芝居が見たい?」
なんて聞くから
「んと、娼館のお話でね、男も女も売り物なの。で、一番人気は男娼で、花とか千切っているなんかよく分からない魅力的な人。」
なんてな具合に、話をしていてあの小さな人が聞き上手だからその数時間で2人してあ〜でもこ〜でも言ううちに見てみたい話が見えてきて、だから深夜なのにこれまた森悠に電話してあ〜でもこ〜でも言ってなんだか動き出したのが「きんとと」なのです。


それからも本当に台本会議はとにかくアホみたいにしました。
日中夜間を問わす話し合い。


基本的にクロジ☆はこの「話し合い」、「台本会議」の最中に、本当にこの企画をGOするのかしないのかという最後のジャッジがあり、沢山の可能性、失敗例をあげてまた寝かし、GOとなったものが「第○回〜」と動きだすのです。

実はきんとと、一度この話し合い段階で潰そうとも思ったのですよ。本当は。手に負えなすぎると思って。だけど、やはり、何度も何度も考えて、挑戦してみよう、挑戦してみたいとGOを出しました。
だから、この時点でもういつものクロジ☆らしくなく背伸びをしていたのだけど。でも、多分もう「クロジ☆らしい」の定義が私たちには今回のサンモールへの道には当てはまらなくて、無茶やごり押しや背伸びをしてでも「やらなくちゃいけないこと」ていうのがあることを感じていて、だからきっとこの「きんとと」があたしたちの手の内だけで泳いでいるのを見たくなかったのです。

だから。
大変なのは当たり前なのだよね。
今考えると。

本当にさ。


そんな訳でそんな風にして「きんとと」は始まったのです。

01:10 - comments(1)
きんとと
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乙女企画クロジ☆第8回公演「きんとと」にご来場いただきまして本当にありがとうございました。

石橋は叩き壊して泳いで渡るA型の乙女企画クロジ☆が何か大きなタイミングに背中を押されて始めたサンモールへの道。
あたしたちのちっさい脳みそや両腕では支えきれなくて、いつも以上に沢山の方にご協力いただき、ご心配沢山おかけしました。

本当に。

キャスト、スタッフには無茶ばかり言い続けて、みんなの協力がないと本当に実現しなかった舞台。
もちろんクロジ☆にも余裕はなく脳みそフル回転思考回路はショート寸前。


それが初日を迎えお客様に見ていただき、ようやくまとまって、本当に役者とスタッフと観客で舞台は成立するだなと心から思った、そんなギリギリで殴り込みみたいな公演でした。

本当に、観劇していただいた方、応援して下さった方、みんなみんなありがとうございます。
エールもお手紙もお花も差し入れも愛を感じて全部泣くほど嬉しかったです。


ようやく脳みそが復活してきたのでボチボチ「きんとと」についてもう一度考えてみようかと思います。

多分きっと上手くまとまらないけど、お付き合いいただければ。ひひ。


12:33 - comments(2)
初日
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初日があきました。

闘いは始まりました。

みんな心身共にボロボロです。こんなに疲れる芝居は昨今経験したことないです。

でも。
来て下さったお客様に届くものでありますよう、一丸となりぶつかりにいきます。


きんとと
幕開けです。
13:39 - comments(2)
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